「プリント」「行動観察」「運動」「絵画・制作」「面接」の考査で何が求められているのか、そのポイントを紹介します。
半分以上の小学校でプリント考査が実施されており、年齢相応の学力が身についているか、人の話をよく聞いて指示通りに対応できるか、などが見られています。
ペーパーがなくとも、個別考査や行動観察考査の難易度が大変高いため、プリントの体験がないと対処することができません。
プリントの力は、ペーパーで教え込んでも対処できるものではありません。 答えを導き出した根拠を自分の言葉で説明できるように、手や身体での具体的操作や体験学習が必要となります。
ほとんどの学校で、行動観察が実施されていますが、行動観察を通して「友だちとの関係」「道具の扱い方」「ルールを守る」「楽しむ・工夫する・集中する」「言葉 (気持ちのよい会話)」などを見ています。
また、ゲームや遊びだけではなく、洋服をたたむ、袋からものを出したり、入れ直したりするなどの生活技能も観察されています。
行動観察で大切なことは、子ども扱いをせずに家族の一員として接しているか、友達を尊敬し仲よくできるか、人の話をしっかり聞くことができるかなどです。そのた めには、両親が見本になってほしいと思います。そして、気持ちのよいあいさつ、自分からなんでも進んでやる積極性、「ごめんなさい」や「すみません」などの素直な心や、自分の思っていることを話せる環境をつくることが大切です。
運動や体操などを通して、基礎体力はあるか、ルールを守ること、友だちとうまく遊べることなどを見ています。
ゴム段くぐりなどの連続運動、ボール投げとケンケン、ワンバウンドパス、先生を見てまねをする模倣体操、お手玉を使ったキャッチボール、ラジオ体操やリズムに合わせた行進、かけっこやダンス、ボールを使った連続運動、手足をしっかりのばして歩く、クマ歩きなどが出題されました。
規則正しい生活、毎日の歩行、荷物を持つ、公園に行く、鉄棒などで全身の筋力をバランスよく鍛えることと、3食をしっかり食べて栄養を取ることが大切です。
絵画や制作を通して、感性、指示理解力、発想力、思考力、手先の巧緻性などを見ています。学校によっては出題内容に違いはありますが、豊かな生活体験をしている かどうかが問われることは共通しています。
ある小学校では、与えられた材料を使って表現することが要求されました。ある小学校では、10分間で人物画を描くこと、ある小学校では、クレヨンを工夫して果物などを表現する塗り絵が出題されました。難しい課題をこなしていくためには、はさみ、クレヨン、のりなどを幼い時から使いこなせる能力を身につけること、自分が作ろうとしている作品を、決められた時間の中で頭の中にイメージにすること、でき上がった時に、何を描いたのか、どのように工夫したのかがわかる技術を磨いていく ことが大切です。
面接を実施していない小学校もありますが、多くの小学校では面接を実施しています。面接には、親子面接、保護者面接があります。
面接で大切なのは、どうしてこの学校を選んだのかという志望理由、家庭における教育方針です。面接は家庭像がそのまま見られるため、暖かい親子関係や愛情が大切です。 どうしてこの学校を選んだのかをご両親でよく相談して面接に望みましょう。