理英会合格実績

先輩ママ先生の受験こぼれ話

『でも』をこらえる|言葉編

  • 2017.12.05
  • 言葉編
『でも』をこらえる

 ある雑誌にこんな記事が掲載されていました。それは、
「小学生のお子さんがテストで90点をとって帰ってきました。お母さんは言いました。『あらすごいじゃない。でもあとちょっとがんばったら100点だね』と。さて、あなたは何か感じませんか」というものです。
 何の問題もないように思えますよね。褒めているし、あともう少しと励ましてもいるし…。
 この記事の続きです。
「この言葉かけには問題点があります。それは正解した90点の部分ではなく、できなかった“10点の部分”に注目しているからです」
そうか、確かに! 悪い方ではなく、良い方に目を向けなければ!と思いますよね。
理想的なのは「90点もとれたの?すごいじゃない」ここで終えておくことです。
「でも」と言いたくなる気持ちをぐっと抑えることが大事です。
 お子さんがまだ小さかった頃のことを思い出してみてください。
「私が笑ったら、笑い返してくれた」
「拍手が出来るようになったね」
「ハイハイでこんなに移動できるようになったわ」
「つかまり立ちができた」
「スプーンで1人で食べられた」
「ジャンプが上手だね」
「クレヨンでくるくる上手に丸が描けるようになったね」
今では当たり前にできることでも、あの時は本当に喜んで「すごいね~」「上手だね~」と声かけをしていましたよね。そうすると子どもも、こうするといいのか! 自分ってこんなことができるんだ!よし、もっと頑張ろう! と自己肯定感を感じ、さらにいろんなことに取り組む意欲が生まれ、そしてそれができるようになっていくものです。決して「でも」と言わず、できない何かを嘆くことはなかったと思います。
それがいつしか「走るのが遅い」「言葉が少ない」などマイナス面を気にするようになってしまいます。おそらく、今まで家族の中だけで生活していた時は我が子に対して“絶対評価”だったのが、幼稚園や小学校に通い出し、他の子と比べる機会が増え、“相対評価”という軸ができてしまうからかもしれません。気になることは仕方がありませんが、気を揉みすぎてもいけません。よく聞くたとえですが、コップに水が半分あるとき「半分しかない」ととらえるか「まだ半分もある」ととらえるかの差は大きいものです(もちろんこれは後者の方がよい、という話です)。同じことならプラスに解釈する思考を身につけたいですね。
理英会でも、お子さんには、「力強い線が書けたね」「一生懸命考えたんだね」「最後まで諦めないで頑張ったね」「ケンケンがリズムよく出来たんだね」など、お子さんができたことを具体的に褒めるようにしています。理英会の先生達の得意わざです。
ご家庭でも今日からお子さんの「いいところ探し」を始めましょう。
なお、理英会では年長クラスで毎月1回、年少・年中クラスで年に数回、模擬試験があります。結果が返ってきたとき、お父さんお母さんに注意して欲しいのは、「あと○点とれたら…」と口にしないことです。褒めポイントを探し、お子さんの健闘を讃えてください。その一方で「頭の中」では、しっかりとお子さんの苦手分野を把握し、今後の計画に役立てていく、という作業をしていただければよいと思います。

どんちゃか理英会 りえ先生(仮名)

執筆者紹介

どんちゃか理英会 りえ先生(仮名)
自身も数年前まで理英会に母として通い、愛息を小学校受験させた(もちろん結果は志望校合格!)。そして今は理英会スタッフとして、後輩ママさんやお子さんの受験指導、日々の授業に格闘している。母と指導者両面の視点から見えてくるものをこのコラムで自由に語ります。
本人コメント「今まさに受験最中であるお母さん、お父さんの息抜きとしてお役に立てたら嬉しいです」

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