12個のりんごを3人の子供達で仲良く分けます。1人何個のりんごがもらえますか?
小学生で割り算を習った子であれば『12÷3=4 1人4個』と簡単に答えられますね。では、割り算を教わっていない幼児はどのように答えを出していくのでしょうか。
実は、生活の中で知らず知らずのうちに、“分けっこ”をしているのです。
例えば兄弟2人で4枚のクッキーを分ける場面。「お兄ちゃんの分。ボクの分」と1枚ずつ分け「2コあまった~」と余りを気にしない子。「まだ分けられるぞ」ともう1枚ずつ分けていく子。また「だいたい2枚かな?」と予測して分ける子など、様々です。
5枚だったらどうでしょう。奇数なので余りが出ます。先程と同じように、1枚ずつ分けていったら、2枚もらえて1枚の余りをそのままにする子、だいたい半分で、と2:3に分け「あれ?あっちが多いな」と気付く子など、こちらも様々です。
実際に授業で扱うことはないのですが、例えば兄弟2人で分ける数が20枚、50枚、100枚と増えたとしましょう。先程までは少ない数だったので「お兄ちゃんの分、ボクの分、お兄ちゃんの分…」と1枚ずつ分けていくこともできました。今度は数がケタ違いに増えています!どうするでしょうか?
もちろん地道に1枚ずつ分けていく子もいるでしょう。10枚ずつ大体で分けてみる子や、半分だとこの位かな?とざっくり分けて、後で数えて調整していく子もいると思います。色々な分け方を知っていれば、たとえ数が増えても、分けることができるのです。
この“分けっこ(「分割」という分野ですね)”の問題が苦手で…というお子さんは、問題集をやるよりもまずは、分ける方法が色々あるのだということを実際の生活の中で身に付けていきましょう。兄弟間で、親子間で、様々な場面で“分けっこ”してみましょう。自分の好きなものであれば、取り分を確保するために必死になって“分けっこ”するはずです。自分で手を動かし「足りないな」「すぐに分ける方法はないかな」と考えを巡らせます。これこそが割り算の原点であり、割り算を習っていなくても冒頭の問題も解くことができるのです。“仲良く分ける”ということがイメージできるのです。
“分けっこ”は「数」だけではなく「量」の場合もありますね。
例えば長方形のカステラ。この辺かな?と切り分け、同じ量かどうか、どうやったら分かるのか、一緒に考えてみましょう。さらにレベルアップ。ジュースを“分けっこ”です。
大きさの違うコップしか用意されていない時、同じ量にするにはどうしたらいいのかな?
こんな経験をたくさんしたお子さんは、地頭のいい子になりますよ。
執筆者紹介
どんちゃか理英会 りえ先生(仮名)
自身も数年前まで理英会に母として通い、愛息を小学校受験させた(もちろん結果は志望校合格!)。そして今は理英会スタッフとして、後輩ママさんやお子さんの受験指導、日々の授業に格闘している。母と指導者両面の視点から見えてくるものをこのコラムで自由に語ります。
本人コメント「今まさに受験最中であるお母さん、お父さんの息抜きとしてお役に立てたら嬉しいです」