10月になると年長さんは入試本番への意識が高まります。志望校テストや直前ゼミを受けたりと入試に向け最終調整をしているところですね。テストの結果に一喜一憂するお母さんも、この時期本当に多いと思います。苦手だった分野を夏休みにあれほどプリントでやったはずなのに…、この間まで出来ていた(と思っていた)問題が出来なくなっている…。お子さんが入試直前にこんな状態になれば誰でもパニックになり焦ります。でも、お母さんのその焦り、不安な表情、お子さんはよく見ていますよ。敏感に感じ取っていますよ。
まずは落ち着いて原因究明を。時間が足りずに間違えてしまったのか、時間を気にするあまり正確さを欠いてしまったのか、どこで躓いてしまったのか、プリントの一部を手で隠してしまい、全体が見えずに間違えてしまったのか。
問題を解くのに時間がかかるお子さんには、「お母さんとどっちが早いかな?」と親子で競争し(あくまでもお子さんにプレッシャーを与えないような言い方、やり方で)、どんな方法だと早くできるのかを一緒に考えたり、「早く!早く!」とスピードを重視してきたお母さんは、お子さんに出来た!正解した!という喜びを味わわせてあげましょう。
幼児の成長はゆっくりです。ということは、入試直前まで伸びる力を持っていますから、最後まで諦めずに今までの復習や総チェックをしましょう。以前解けなかった問題やあの時出来たけれど怪しかった問題、お子さんは意外と「あ!この問題が出来なかった時、叱られたな。」と嫌な記憶と共に覚えていて、その問題を解くことを体が拒否してしまうこともあります。そんな時、少し気分を変えて、大きめのホワイトボード(100円ショップで簡単に手に入りますよ)に問題を書いておきましょう。先生気分でお子さんも頑張って解いてくれるかもしれません。模造紙など大きな紙に書いておいて、解けたら大きなはなまるをあげたりするのもいいですね。
制作や絵画を頑張ってきたお子さんには、作品アルバムを作ってみてはどうでしょう。親子で見ながら、「楽しそうな表情の絵が描けたね」「色使いがきれいね」「この作品を作る時、ここが苦労したんだよね」と楽しくお話するのもいいですね。入試会場に作品を持ち歩くのは大変だけれど、これなら持ち運びができ、電車や会場でも見ることができます。
入試まであと少し。お子さんもまだまだ頑張っています。志望校の課題に絞り、お母さん達のこんなひと手間で、気持ちにゆとりを持って笑顔でお子さんと入試当日を迎えられるといいですね。
執筆者紹介
どんちゃか理英会 りえ先生(仮名)
自身も数年前まで理英会に母として通い、愛息を小学校受験させた(もちろん結果は志望校合格!)。そして今は理英会スタッフとして、後輩ママさんやお子さんの受験指導、日々の授業に格闘している。母と指導者両面の視点から見えてくるものをこのコラムで自由に語ります。
本人コメント「今まさに受験最中であるお母さん、お父さんの息抜きとしてお役に立てたら嬉しいです」