小学校受験、と聞くと「お受験はお金がかかるからわが家はとても無理、無理」とおっしゃる方がいます。ほんとうにそうでしょうか。今回は小学校受験に臨む準備をその方法別に分けて大まかな予算感をお伝えしたいと思います。年中さんの4月から準備をスタートしたとして計算してみます。入試本番が年長さんの10月から11月にかけてですので、約1年半の通塾期間となりますね。
少し関連した話ですが、小学校受験の幼児教室や塾の1年間というのは独特の刻み方がありまして、秋の11月から1年間が始まることが多いようです。これはおそらく先ほどお伝えしたとおり、実際の入試が年長の秋の10月から11月にかけて実施されることが大きな理由であると思われます。ですから、年長の新年度と言う時、世間では桜の咲く4月ですが、お受験の世界では年中の11月を新年長進級とするわけです。年中コースや年少コースも同様に11月始まりですので、今回想定したスタート時期の年中さんの4月ということは、新年中コースが始まって約半年後にスタートする、ということになりますね。
小学校受験にともない必要になってくる費用は次の5種類です。
それぞれどのくらいの予算が必要かを次から一つひとつ説明していきます。
首都圏の主な幼児教室に通う場合、年長の1年間(年中の11月~年長の10月)でざっくりと100万円程度かかるところが多いようです。その内訳は次の通りです。
その前年の年中の7ヶ月(年中の4月~年中の10月)では25万円程度とみてください。
年中と年長の1年間の授業料をこうして比べてみると、小学校受験の最後の年長の1年間の比重の重さがよくわかっていただけると思います。幼児教室や塾の授業料として年中、年長の2年間で約125万円となります。
次に模擬テストです。模擬テストの役割は日頃の家や教室でのトレーニングの成果を確認する場としての役割と、もう一方で本番の入試の練習としての役割があります。
模擬テストのテスト代で、2年間で約10万円となります。
小学校受験対策をしていると、どうしても途中で問題集を必要としてきます。幼児にとって最も効果的な学習法の一つが、何度も同じような問題を解き、考え方のパターンを体に覚えこませることです。親が熱心にわが子のプリントの正誤や模擬テストの帳票を見ている家庭こそ、わが子にあった問題集やドリルを有効に使えます。
代表的な小学校受験の教材販売サイト
●理英会出版
https://rieikai-shuppan.com/
このような教材をどれくらい購入し活用するかはそれこそご家庭によりさまざまですが、ここでは受験準備期間、年中時期は月に2冊、年長時は月に4冊を使っていくと仮定してみます。
問題集、ドリルなどの教材購入費が2年間で約10万円となります。
この類の支出は各ご家庭の考えで大きく変わります。ここでも今回は極めて平均的な場合の予算の、目安をお伝えします。またもや話題が少しそれますが、なぜ小学校受験を目指す方はお受験ルックで幼児教室や塾やテストに通うのでしょう。入試本番ではないのだからカジュアルでもよいのでは、と考えたあなたは間違いです。このお受験ルックはお子さん本人がことあるごとにこの服装をしているため、このきっちりとした格好の自分や親に慣れていき、入試本番の日でも普段どおりに振舞えるにちがいない、という思いがあるのです。
以下、お子さんのお受験ルックからお父さまお母さまのお受験スーツまでを見積もってみます。
お受験の服、バッグなどの予算は約30万円となります。
これこそ環境によって異なりますが、長い受験準備期間にはいろいろとあるでしょう。自動車の駐車場を使う場合、時に疲れて親子でタクシーを使うこともあるはずです。
まとめて10万円としておきます。
これまでの5つの支出をすべて活用するタイプの受験対策から、シンプルな自給自足型の受験準備をした場合まで、それぞれの予算をあげてみます。
A )フルコース型 幼児教室をフル活用 2年間で200万
B )中間型 幼児教室と自宅の勉強を併用 2年間で120万円
C )家庭主導型 自宅の勉強を中心にポイントで幼児教室を活用 2年間で48万円
いかがでしょうか。さっぱり見当もつかなかった小学校受験の予算をなんとなく把握していただければ幸いです。
どうせやるならぜひ、「親子で成長できる小学校受験を!」
幼児、そのご父母、幼児教室スタッフ、小学校現場などから生の声を収集することを日々のフィールドワークとしている
横浜国立大学教育学部心理学科卒