例年、慶應義塾横浜初等部の願書には創設者の福澤諭吉の著作『福翁自伝』を読んで、所感を記す指示がありました。
しかし、2020年度の横浜初等部の入試ではこれまでとは異なり、『伝記小泉信三』が課題図書に選ばれました。
さらに2021年度の横浜初等部の入試では『福翁百話』に課題図書が変更されました。
そこで、これからこの本を手にされる方のために『福翁百話』の中でも、子育て・教育に関する話を一話ごと取り上げて、要点を簡単にご紹介いたします。
今回は56話の要点を意訳してご紹介します。
大量の知恵をいっぺんに現わして天下を驚かすよりも、朝に夕に少しずつ物事を処理して、さわやかに世を生きた方がよいものです。
能あるタカが爪があるのに隠したままで、獲物を捕らないままなら、爪がないのに等しいのです。
日ごろから爪は小出しにした方がよいのです。
知恵を小出しにして、立身出世した例はあれども、英雄豪傑を気取って、世に背を向けた者は大事な仕事に巡り合うことはないでしょう。
仕事の方からやってきて、人を求めることはないのですから。
プライドが高い人は、こまごまと動くことを嫌うかもしれません。
けれども、それでは大成しないと福澤は説いていわけです。
武士の気風よりも商人の気風といったものを持つように語っているのかもしれません。
人任せにせず、自分から動いていきたいものですね。
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