東京・神奈川の私立中学校では初めての試みとなる「プログラミング入試」が今年の2月、相模女子大学中学部(相模原市)で行われた。プログラミングを入試科目に導入する動きの中心になったのは同校小学部副校長、川原田康文氏だ。
川原田氏は横浜国立大学准教授、立命館小学校教諭を経て、相模女子大学小学部に着任。人型ロボットPepper(ペッパー)を活用したプログラミング授業を小・中学校教育に導入している。これは世界で初めての試みだ。また、ソフトバンクが実施するPepper社会貢献プログラムの教師用指導書の監修・執筆も手がけるなど、この分野の第一人者として知られている。
2月、横浜で川原田氏を講師に招いたセミナーが開催された。教育を通して子どもたちの未来創造を支援する企業、理究グループ主催によるものだ。タイトルは「AI時代のわが子の育て方」。川原田氏が熱心に説明していたのは、自身の体験による海外の進んだ教育事情である。審判員としておもむく国際的なロボットコンテストでは、タイ、シンガポール、マレーシアなど東南アジア諸国のロボット教育熱の高さを目の当たりにするそうだ。それらの国々では人材育成という明確な目的の下、国家レベルでコンテストに取り組んでいる。
「コンテストに参加する各国のメンバーは多角的に課題を捉え、より良い最適解を求めることをしてきます。そんな小学生たちが作るロボットは大人顔負けです」と川原田氏は語る。
ここに同氏の教え子たちが参加した様子も動画で紹介していた。作ったロボットについて英語で発表している。コンテストではロボットの出来具合だけでなく、英語でのプレゼンも重要な評価対象なのだ。
川原田氏は、これからの教育はプログラミング、英語、ICT(情報通信技術)が連動して行われるだろうと説く。AIなどの技術発展で劇的な転換をとげる時代、子どもたちがその変化に対応していくために、どんな教育を受けさせれば良いのかと、会場の親たちは真剣な表情だった。
(理究 薗田隆平)
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