横浜雙葉小学校ブログ【入試概要・入試問題】

昨年2019年の横浜雙葉小学校の入試を今一度振り返るブログです。

なんといっても、この学校の入試は5時間半という他の学校に比べると圧倒的に長時間の考査が特徴です。
これは、学校側が受験するお子さんの一人ひとりをじっくりと、できるだけその子本来の素の部分を見たい、というメッセージと理解されるとよいでしょう。

保護者さまから「6歳児に5時間半の考査をするのはなぜか」と聞かれることがありますが、学校がそれだけ労力をさいて子どもたちを預かり、考査してくれるということは、ご縁があって入学してからもずっとそれぞれの子どもをしっかりと見てくれるということ、をお伝えしています。

併願については、試験が終わるのが午後2時を過ぎるため、当日に併願受験可能な学校は夕方の時間帯に考査がある日大藤沢くらいですが、翌日の湘南白百合・洗足を併願校に選ぶ方が多いです。
他、神奈川の解禁日から東京の間の間に試験のあるカリタス・森村。
そして都内の11月1日以降の学校となります。

考査の内容
1.ペーパー12枚前後
2.脚力やボールを使ってリズム感をみる運動
3.行動観察として今年の一つは5、6人程度のチームに分かれてのゲーム、もう一つは自由遊びでした。
4.個別の指示制作
そしてお弁当となっています。

お弁当の時間は午前から午後にわたる長時間の考査のため必然的にあり、この時間が合否にどの程度影響するかの公式見解はありませんが、考査の時間内にある活動ですので十分に準備、トレーニングして臨むのがよいでしょう。

募集人員は約80名で、みなとみらい線を利用すると東京方面からも1時間以内の通学もできることから東京方面からの受験生も増加しました。
ここ数年の倍率4倍強、昨年4.67倍。
今年4.46倍です。

ここからは考査内容のお話をします。

まず、行動観察です。
横浜雙葉の行動観察は2種類あります。
一つ目はグループで相談してルールのあるゲームをするというもの。

5~6人が1チームとなり「ジェンガ」という木の四角い積み木が与えられ、どんな風に遊ぶかを相談しました。
その際、教室の前方にヒントとして、積む、積み木として何かを作る、ドミノ倒しをするの3枚の写真が貼られたようです。
チームで話しあい、前に貼り出されている見本と同じでもよいし、自分たちが考えた全く別の遊びをしてもよいと言われます。
何度か繰り返し、最後はみんなで片付けます。

二つ目は自由遊びです。
教室に並べられた道具を使って遊びます。
特にチームは指定されませんので、お友だちに声をかけながら仲良く遊びます。
「仲良く遊びましょう」と言われるので一人では遊びません。
ポイントはいかに周りの子と関わるか、です。
どんなゲームをしたとか、何で遊んだかも関係がありません。

相談ができる、協調性がある、思いやりの心があり相手に譲れるなど、常に友だちとの関わり方を見られています。
長時間にわたって行われる行動観察の中で最後まで見られている、という自覚をもって行動することは難しく、毎年合否の分かれ目となっています。

特に女の子らしい所作、言葉遣い、思いやりの気持ちは短期間で身につくものではないので、早い時期から意識して毎日を過ごしましょう。

次は制作です。
例年、この問題は「切る」「貼る」「塗る」を丁寧に早くできることが必要です。
横浜雙葉名物の「10分制作」と呼ばれ、向かいあわせの机に仕切り板が置かれ、立ち姿勢で作業が行われます。
ここ3年間は「指示制作」という、口頭でやるべきことがそれぞれのお子さんに指示されるというものです。

まずはこれからやる制作の説明が5分であります。
机の上のトレーのその日に使用する教材が用意されています。
それぞれのお子さんに対する指示が異なるため、隣の子と違う作業をする場面が出てくる。
ここでも準備不足の受験生は、隣と違うために戸惑う場面が見られます。

今年の指示制作の本作りでした。
ランダムに並んだ16枚のカードから4つの話を作り、色画用紙に貼ります。
色画用紙を閉じる順番はそれぞれのお子さんによって異なるものが示されますので、自信のないお子さんはこの時点混乱してしまう場合もあります。
入試という緊張感の漂う中で、指示をいかに冷静に聞き取ることができるのか、が試されます。

理英会の横浜雙葉ゼミでは基本の切る・貼る・塗るなどの制作の力をつける指導と共に指示を聞きとり周りに惑わされず、自信を持って取り組む練習を重ねています。

そして最後は運動です。
走る、飛ぶ等脚力の要素を取り入れた運動が基本です。
バランスや紅白玉の投げ上げ等も出題されています。
ほかリズムに合わせて行進など、あまり器具を使わずシンプルな運動が多いと思います。
先生の見本通りにすることが大切。

走るのは先生がストップウォッチで、タイムを図っています。
今年も例年通り指示に従いコーンを全力で走ることと、両足ジャンプ、飛び石出題されました。

ペーパーテストは2019年度、次のような単元が出題されました。

・動物が登場する話の記憶
1500字から2000字程度の物語が読まれ、その内容について問われます。

・数量に関する問題 多少の生活常識も含まれる場合があります。

・言語に関する問題 普通のしりとりを少しアレンジした「2番目しりとり」や音の組み合わせなどです。

・推理思考力に関する問題 平面構成や重ね図形、回転図形などが扱われます。

・運筆、色塗りなどの問題

今回は話の記憶を取り上げます。
横浜雙葉小学校では毎年絵本を1冊選び、それを入試用にアレンジした1500字から2000字程度の物語が読まれます。
登場人物が5から7体出てきて、明らかな流れがあるもの、つまり順番が明確にわかるストーリーが出題されます。

動物が登場するものが多く、ポイントとなる場面展開を理解して話全体の流れをつかむことが必要です。
今回の話には猫が登場しました。聞かれることは主に話の柱になることがらの確認や登場動物の気持ちの理解に関する内容です。

2019年の出題では

1問目は主人公が嫌だと思っていたこと、いないことの選別

2問目は主人公が「悪いことをしちゃった」と寂しい気持ちになった理由

3問目は主人公がびっくりした理由

4問目にこのお話の最後はどうなりましたか?という出題があり、最後には、この物語の出来事の順番をイラスト上で、線で結んで完成させる、という出題がありました。

理英会の横浜雙葉対応の授業では、話に入り込んでしまわずにだれが何をしているのか。
場面場面、写真を撮るよう指導しています。
つまり絵本を聴くだけでなく全体の流れをつかむためにお子さんに話のフィードバックをし、一つ一つ話の順番を確認していく課題を繰り返し行います。

※動画でも解説しています。

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