昨年2019年の精華小学校の入試を今一度振り返り、解説するブログです。
精華小学校の入試内容は例年、事前に行われる面接の他、運動、プリント、絵画、行動観察、個別となっています。
運動は跳ぶ課題など跳躍系を中心に、筋力、リズム感、バランス感覚、運動巧緻性が問われる、かなり体力がものを言う課題が出題されます。
ペーパーは4枚と枚数は少ないですが、例年思考力が問われる出題と、根気やていねいさが問われる問題が出題され、複雑な模様を見分けたり、ルールを理解して応用したりと、難易度の高い問題も絡めて構成されるのが特徴です。
絵画は例年お話を聞いてその様子を描く条件絵画、もしくはあらかじめ書いてある形を使って絵を描く応用画のいずれかが実施されています。
行動観察は近年加わった課題で、短い時間ですがパターンブロック積み競争やグループでドミノを並べる課題など、チーム対抗の多人数で盛り上がるような課題が行われています。
個別では、お話作りや心情理解など、説明すること、先生と会話することを中心にした課題が行われます。
それでは、ペーパーテストについて解説します。
まずはこちらの問題です。
これは、位置移動の問題で、精華小学校ではよく出題される分野の問題です。
ルールはバツのある場所から、約束の通りに進んだ場所に×を書くというものです。
一番左上の問題をやってみましょう。
上に黒の△、緑の□、桃色の○が並んでいます。
この問題は、色で方向を、形で進むマスの数が指定されます。
精華小学校のプリントはカラー印刷のため、今回のように色が問題の条件になることもあります。
最初の△は黒なので、右の方向に2つ進みます。
2番目は緑の□なので、下の方向に3つ進み、最後の桃色の○は同様に上に1つ進むことになります。
ですので、ここに「×」を書きます。これを、全問できる限り解いていきます。
プリントがマス目だらけになっていますね。
これは精華小学校に特有のプリントです。
精華小学校のプリントはA3の大きさですが、そのプリント1枚にびっしりと問題が配置されています。
枚数は4枚だけですが、精華小学校のプリントは1枚ごと非常に問題数が多く、決してあっさりしたものではありません。
解答時間はある程度長くとられますが、ほとんどの子どもは最後まで解き終わりません。
このような最初から全部終わらないように作ってあるプリントはあまりありませんので、解き終わらずに焦ったり、戸惑ったりすることのないよう、慣れておくようにしましょう。
また、この問題では、最後に×を書くように指示があったのですが、早合点して○を書いてしまった子もいました。
指示を理解するだけでなく、最後までしっかりと聞くことも大切です。
次に、こちらの問題です。
この問題は見本の形を3個使ってできているものを選ぶ問題です。
回してもいいですが、ひっくり返してはいけません。
この問題のポイントは、根気です。
問題を理解すること自体は難しくありませんし、解くだけであれば、ある程度の構成力があればできるでしょう。
この問題の得点は、細かい形をしっかり見くらべて、一つひとつ丁寧に取り組むことができるかどうかで変わってきます。
先ほどまでの問題と同じく、プリントの見た目自体がごちゃごちゃしていますね。
このプリントをじっと見比べて取り組むのは体力と精神力の両方が必要になります。
精華小学校のプリントは非常に細かい形や絵がカラーでたくさん描かれているものが多く、プリントを見ただけでやる気がそがれてしまう子もいるでしょう。
ですが、精華小学校のペーパーテストでは、どの問題でも落ち着いてしっかり考える、根気よく取り組む力が問われます。
問題の複雑さや細かさに対して、気持ちで負けずに、しっかりていねいに取り組む姿勢が絶対に必要です。
1枚ずつプリントを解説していますが、実際の入試ではこういったプリントに4枚連続して取り組むということを忘れてはいけません。
1、2問解いただけで疲れてしまったり、途中で嫌気がさして適当になったり、1問失敗したからといって気持ちをとぎらせたりしないこと。
これはどの学校でも大切な力ですが、精華小学校では特に必要とされる力です。
続いて、このプリントです。
左上をやってみましょう。
二重丸の見本と○の見本とがあります。
それぞれの見本と同じパーツで作れる形にそれぞれのしるしをつける問題です。
回転したり裏返ったりはしていません。
練習問題で見てみましょう。
まず二重丸の見本からです。
この4つの四角を回したり裏返したりせずに組み替えてできるのは、下段の左から3番目です。
次に○の方は、左から2番目ですね。
この問題の難しさは、細かいということだけではありません。
見本が2種類あるため、ごちゃ混ぜになって混乱しやすく、さらに、赤と青の色で目が負けてしまう子が多かったようです。
精華小学校のペーパーテストは、1問ごとに大きなプリントを使った説明があります。
しかし、説明が終わると、見本のプリントは畳まれてしまいますので、その説明の間に、しっかりと意味を掴まなくてはなりません。
2種類の見本があり、それが組み替えられるというこの問題は、あまりなじみのある問題ではなく、問題の意味を理解できていなかった子も多かったようです。
問題の意味がわかっていれば解けた子もたくさんいたでしょう。
やり方がわからないと、スタートラインに立つことすらできません。
指示をよく聞くこと、出題をきちんと把握することができるようにしておくことが大切です。
※動画でも解説しています。
コメントありがとうございました。
この記事における見本の形×3で出来る図形はどれかという問題についてですが、選択肢のマス目を数えると一つ一つマス目の個数が違うので根気と言うよりは作成者の意図を読むように感じられました。正解の図形以外の選択肢を作るならば見本の図形が5マスだとして15マス以外の図形を作るか、もしくは15マスで出来る図形で見本のものを用いて出来ないかのいずれかだと思います。 ですから先に15マス以外のものをカットしたら根気があろうがなかろうが早く解けてミスなく進めると思いました。
精華、理英会をはるか昔に卒業した者より。