森山京/作
松成真理子/絵
1,100円
2011年初版
タクくんがブランコをこいでいる時です。
下にあった水たまりがどうしても気になり、のぞいてみました。
すると、映った自分の顔がだんだんと、津波でひとりぼっちになった女の子の顔に見えてくるのでした。
想像力
じんとくる
やわらかい
しばらく前に、津波が起こった南の島で家族を失った女の子のことを、テレビで見たタクくん。
ところが、そのことをいつしか、すっかり忘れてしまっていました。
次の一文が絵本にあります。
「つなみにおどろいたタクでしたが、日がたつうちにそのおそろしさも、おんなのこのことも、わすれてしまっていました」
ここでは、記憶を風化させず、思い返すことの大事さが描かれているわけです。
また、一方で実際は体験したことのない出来事を自分が追体験することの大事さも描かれています。
記憶を呼び起こしたり、追体験したりを、読者に促そうとする内容です。
読書をすること自体が、記憶を呼びこしたり、追体験したりすることですが、この絵本のお話を読むだけで、おのずと、読書すること自体の大切さに気づくしかけになっています。
体験したことのない世界を知るための方法として、読書習慣を身に着けて、成長したいですね。
想像力の大切さを感じる一冊です。
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