詩人谷川俊太郎の作品に「みみをすます」があります。
詩はすべてひらがなで、時を越えていろいろな音が書かれています。
生活の音、自然の音、こわい音、やさしい音などなど。
子どもにはまだまだ分からない音がたくさんです。
お家でみみをすましてみれば、どんな音が聴こえるでしょうか?
家の中の音、近所の音、風の音、人の声…
もっと、面白い音もあるでしょう。
それらの音をことばで表せますか?
歩く音はどんな音ですか?
どう答えるでしょうか。
答えは「てくてく」「どすどす」「とことこ」「すたすた」「とぼとぼ」…たくさんありますね。
お相撲さんが歩く音はどんな音ですか?
答えは「のっしのっし」「どすんどすん」「ずーんずーん」…他に子どもが作る音もあるでしょう。
音をことばにするのは面白いですね。
少し、科学的な話をしましょう。
大人には聞こえない音としてモスキート音があることをご存知でしょうか。
ネットで検索すれば、モスキート音の動画があります。
その際、ぜひお子さんと一緒に視聴してみてください。
子どもには聞こえ、大人には聞こえないモスキート音のことにショックを受けると思います。
40歳を過ぎると聞こえる範囲は子どものときとくらべ2割から3割減っています。
モスキート音はその減って聞こえなくなった高い音のことです。
だから、子どもはときどき大人に聞こえない音を聞いていると言うことです。
子どもが「ほらっ!今変な音が聞こえたよ」と言われ、「何も聞こえないじゃないか」と結論付けることはできません。
それなら、その音を子どもに真似させるとよいでしょう。
「どんな音が聞こえたの?」「あっちから、キーキーと鳴く音がするよ」音の正体を探しに行けば、意外な結果が待っているかもしれません。
次のなき声は下のどの動物でしょうか?
①ケンケン
②ガチャガチャ
③ヒヒーン
④テッペンカケタカ
⑤コンコン
スズムシ・タヌキ・クツワムシ・ロバ・ウマ・ウグイス・ホトトギス・スズメ・キジ・キツネ・カラス
答え ①ケンケンは「キジ」②ガチャガチャは「クツワムシ」 ③ヒヒーンはもちろん「ウマ」 ④テッペンカケタカは「ホトトギス」 ⑤コンコンは「キツネ」
耳が良く聞こえる子どものうちに、多くの擬声語・擬態語を覚えるとよいです。
その擬声語・擬態語を聞きに森や海にでかけるのもよいでしょう。
海でみみをすますと「ざぶーん」「ざっばーん」「ちゃぷちゃぷ」「しゅわわわっ」「どっどどどどー」「ぴちゃぴちゃ」…子どもだから、面白く感じるはずです。
たくさん音を聞いて、たくさんのことばを覚えることをお勧めします。
日本語は擬声語・擬態語がとても多い言語と言われています。
擬声語・擬態語を上手に使えれば国語の表現力が磨かれるのと同時にコミュニケーション能力もあがります。
「今日は雨で学校に来るのが大変だったよ」を「家を出たときぽつりぽつり降り始めた雨が、学校に着くころはざあーざあーと大変だったよ」と表現すると途中雨で苦労した感じが表現できます。
たまには、みみをすましてみてはどうでしょうか。
[ 耳をすましてみれば、まわりにはどんな音があるかな?]のご感想やコメントをお寄せください。
最近のコメント