慶應義塾横浜初等部の願書には創設者の福澤諭吉の著作『福翁百話』を読んで、所感を記す指示がありました。
そこで、これからこの本を手にされる方のために『福翁百話』の中でも、子育て・教育に関する話を一話ごと取り上げて、要点を簡単にご紹介いたします。
今回は72話の要点を意訳してご紹介します。
穀物の種を畑にまいただけで、耕して、草取りをしなければ、どうなるでしょうか。
たとえ、それが良い種だったとしてもよい収穫はできないでしょう。
それに、よい種子がとれず、来年の種まきもできません。
子育てもこれと同じことです。
良き父母の子に生まれたとしても、教育に留意せず、教育方法を誤ると、子どもの品格を落とし、孫の代にも、それは影響するでしょう。
福澤の視点で今日特異なのは、家制度の濃い時代背景なこともあり、子育てを孫ひ孫の代までを見据えて語っているところです。
一方、私たち現代の子育て論は、目の前のわが子に対する視点で語られるものが大半です。
これは当然なこととはいえ、時には目の前の子どもをもっと引いた視点で、大人になったわが子や孫の代のことも考えてみてはどうでしょうという、福澤からメッセージのように受け取ることができました。
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