福音館書店
石井桃子/作 中谷千代子/絵
1,210円 1965年初版
生まれたときから食べるものは好き嫌いばかり、わがままのし放題で育った子牛のはなこさん。
子牛がたくさん集まる牧場に入ったら、性格は直るのかと飼い主さんは思っていたら、
子牛たちの中でもいばってばかりいます。
しかし、そんなわがままが原因で、ある日はなこさんに災難が訪れるのでした。
はなこさんは、他のみんなの分も考えず、おいもと、かぼちゃをひとやま食べてしまいます。
体がバルーンのようになってしまい治療のために注射をされるのです。
それからは性格が大人しくなり、子牛たちとも仲良くするようになったというお話しです。
雄介は自然にふれ、人のあたたかみにふれて元気を取り戻します。
わがままはよくない!
ユーモラス、どきどき
筆致が見える。あたたかさぬくもりを感じる。
のんびりとした牧場の雰囲気とユーモラスな子牛の表情をふんわりして、あたたかな絵で表現しています。
絵を見ていると、はなこさんのわがままも憎めなくなります。
物語は「こんなわがままのし放題ができたらいいなあ」という一種の幻想を見せてくれながら、最後にはしっかりこらしめられるというストーリーは昔話のような伸びやかさと、しめくくりをあわせ持っていて長く愛されてきた理由がそこにあるでしょう。
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