今回は、作業をしながら、頭の中で考えるトレーニングを紹介します。
準備するもの:ひも(1m程度のもの2本)、はさみ、メモ用紙
※ひもがなければリボンテープや毛糸などでもよいです。
まず最初の作業です。
お子様の目の前で、1本のひもを半分に折ります。
折ったままでぴーんと伸ばし、その真ん中をはさみで切ります。
実際に切る前に、質問!
「○○ちゃん、全部で何本のひもになる?」
真ん中を切ったから2本になるかな?
最初に折り曲げて2本になってるから それを半分に切ると、4本?
答えたら、切ってみましょう。
チョキ。
正解は3本ですね。
長いひもが1本と、短いひもが2本です。
どうしてそうなったのか、実物を置いて、確かめてみてください。
もし、お子さんが悩むようでしたら、メモ用紙に図を描いて説明してください。
細長~い「U」の字を書き、上から半分のところに横で線を引き 切ったことにしたら、3本になりますよね。
さて、では次の作業です。
今度は、1本のひもを半分に折ります。
さらに半分に折ります。そのままぴーんと伸ばし、真ん中を はさみで切ります。
切る前に、またここで質問!
「全部で何本のひもになる?」
ひもを折った回数は2回。
さっきより1回多いです。
2倍といってもよいですね。
最初の作業のときは3本のひもができたから、今回は その2倍の6本かな?
大人でも難しいですよね。
でも、よーく考えて、正解を 出したいですね。
さて、どうしてもわからない場合は、実際に切ってみて1本ずつ、数えてみましょう。
正解は長いひも3本と短いひも2本の5本になります。
学習における「壁」の多くは、具体的な物を扱う段階から抽象的な概念を扱う段階へ進むときに、性質の変化についていけないけないことから始まります。
この問題は、実際の私立中学校の入試に出題された問題の改題です。
もちろん、入試では作業できるわけではないので、頭の中で考え図にかいて答えを導くことになりますが、何回も折った中で切ると図もなかなかうまくかけません。
簡単なところから法則を導いて解いていくことになります。
こんなときは、作業することを面倒くさがらずにできる子が算数の地頭が良い子になっていきます。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
受験算数のプロ 益田先生がお届けしました。
[ 1本のひも 切ったら何本になる?]のご感想やコメントをお寄せください。
最近のコメント